
建築設備士の受験を検討しているんだけど難易度ってどのくらい?
建築業界の設備関係で仕事をしていると「建築設備士」を受験するか検討するでしょう。
資格の難易度によって勉強に必要な時間が違うので気になりますよね。
安心してください!この記事ではそんな悩みを解消していきます。
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今回は建築設備士の難易度・合格率について詳しく解説します。
この記事ではこんな疑問が解決できます!
- 試験の構成ってどうなんっている?
- 受験をしたいが受験資格はある?
- 難易度・合格率ってどのくらい?
- 類似資格と比較するとどのくらいのレベル?
- 実際に必要な勉強時間ってどのくらい?
【結論】
一級建築士より難易度は低く、二級建築士よりは高め。
試験の構成

試験概要
建築設備士の試験は「一次試験(学科)」と「二次試験(設計製図)」の順に行います。
「二次試験(設計製図)」は「一次試験(学科)」に合格しないと受けることができません。
一次試験(学科)の免除

令和3年以降に合格した人は次の年から続く4回のうち任意で2回まで一次試験(学科)の免除ができます。
(令和3年から制度が変更になりました)
そのため令和3年、令和4年の一次試験(学科)に合格した人は令和5年の一次試験(学科)を免除することができます。
受験資格

建築設備士の受験資格を以下に簡易な表をまとめました。
区分 | No | 最終卒業校または資格など | 実務経験年数 |
---|---|---|---|
学歴+実務 | 1 | 大学(新制大学、旧制大学) | 2年以上 |
2 | 短期大学、高等専門学校、旧専門学校 | 4年以上 | |
3 | 高等学校、旧中等学校 | 6年以上 | |
4(イ) | 専修学校(修業年限が4年以上かつ120単位以上を修了) | 2年以上 | |
4(ロ) | 専修学校(修業年限が2年以上かつ60単位以上を修了) | 4年以上 | |
4(ハ) | 4イ・ロ以外の専修学校 | 6年以上 | |
5(イ) | 職業能力開発総合学校または職業能力開発大学 | 2年以上 | |
5(ロ) | 職業訓練大学校 | 2年以上 | |
6(イ) | 職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校または職業能力開発短期大学校 | 4年以上 | |
6(ロ) | 職業訓練短期大学校 | 4年以上 | |
7(イ) | 高校卒業後、職業能力開発校、職業能力開発促進センターまたは障害者職業能力開発校 | 6年以上 | |
7(ロ) | 高校卒業後、職業訓練施設 | 6年以上 | |
資格+実務 | 8(イ) | 一級建築士 | 2年以上 |
8(ロ) | 1級電気工事施工管理技士 | 2年以上 | |
8(ハ) | 1級管工事施工管理技士 | 2年以上 | |
8(ニ) | 空気調和・衛生工学会設備士 | 2年以上 | |
8(ホ) | 第1種、2種、3種電気主任技術者 | 2年以上 | |
実務のみ | 9 | 建築設備に関する実務経験のみ | 9年以上 |
– | 10 | 1~9までと同等以上の知識及び技能を有すると認められた者 |
「学歴+実務」「資格+実務」「実務のみ」と様々なパターンがあるので該当するか確かめましょう。
少なくとも実務経験が2年以上ないと受験できない資格となっています。
建築技術教育普及センターのサイトに詳しくは掲載されています。
難易度・合格率

建築設備士の合格率
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 3,335 | 3,198 | 2,811 | 3,217 | 3,183 | 3,149 |
合格者数 | 646 | 610 | 379 | 606 | 516 | 551 |
合格率 | 19.4% | 19.1% | 13.5% | 18.8% | 16.2% | 17.5% |
建築設備士の合格率は約17.5%です。
建築設備関係の仕事をしている専門技術者が受験し合格率が2割以下のため簡単に取得できる資格ではないことが分かります。
しっかりと勉強する時間を確保して試験に挑みましょう!
一次試験(学科)の合格率
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 2,983 | 2,800 | 2,526 | 2,900 | 2,813 | 2,804 |
合格者数 | 930 | 749 | 650 | 950 | 882 | 832 |
合格率 | 31.2% | 26.8% | 25.7% | 32.8% | 31.4% | 29.7% |
一次試験(学科)の合格率は29.7%です。
一次試験を突破しないと二次試験は受験できないため、ここで合格する必要がありますね。
全体の点数が高いと基準点が変わるため、合格率はだいたい3割くらいをキープしています。
二次試験(設計製図)の合格率
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 1,242 | 1,123 | 916 | 1,158 | 1,111 | 1,110 |
合格者数 | 646 | 610 | 379 | 606 | 516 | 551 |
合格率 | 52.0% | 54.3% | 41.4% | 52.3% | 46.4% | 49.7% |
二次試験(設計製図)の合格率は49.7%です。
合格率を見ると簡単に感じますが、一次試験(学科)に合格した基礎知識がある人の5割が合格なので難しいと言えます。
設計製図は学科とはことなり、文章や図面を描くため製図に慣れていない人は練習が必要になってきます。
類似試験との比較

一級建築士
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 31,157 | 30,616 | 29,758 | 35,811 | 38,030 | 33,075 |
合格者数 | 3,365 | 3,827 | 3,571 | 3,796 | 3,765 | 3,365 |
合格率 | 10.8% | 12.5% | 12.0% | 10.6% | 9.9% | 11.1% |
一級建築士の合格率(学科、製図)は11.1%です。
建築設備士と比較すると一級建築の方が難易度が高いことが分かりますね。
一級建築士を保有している人は問題も重複しているので合格しやすいです。
建築設備士 合格率17.5% < 一級建築士 合格率11.1%
二級建築士
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 23,735 | 23,533 | 22,715 | 22,628 | 23,513 | 23,225 |
合格者数 | 5,763 | 5,997 | 5,037 | 5,979 | 5,559 | 5,667 |
合格率 | 24.3% | 25.5% | 22.2% | 26.4% | 23.6% | 24.4% |
二級建築士の合格率(学科、製図)は24.4%です。
建築設備士と比較すると二級建築の方が難易度が低いことが分かりますね。
二級建築士を保有している人は建築一般や法規の知識は生かせます。
建築設備士 合格率17.5% > 二級建築士 合格率24.4%
1級電気工事施工管理技士
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 17,922 | 16,989 | 15,048 | 14,407 | 15,001 | 15,873 |
合格者数 | 5,595 | 9,532 | 6,128 | 5,493 | 7,993 | 7,548 |
合格率 | 48.0% | 56.1% | 40.7% | 38.1% | 53.3% | 47.6% |
1級電気工事施工管理技士の合格率は47.6%です。
建築設備士と比較すると1級電気工事施工管理技士の方が難易度が低いことが分かりますね。
施工管理の資格なので建築設備士と問題が異なる点もあるので気を抜かずに勉強しましょう!
建築設備士 合格率17.5% > 1級電気工事施工管理技士 合格率47.6%
勉強に必要な時間

一次試験(学科)の勉強時間
合格するには150時間は必要!
建築設備の仕事を始めたばかりの人は200時間が目安!
建築設備の仕事をされている人は基礎知識があるため建築設備の問題は覚えやすいです。
建築学科を卒業していない人は建築一般や法規を勉強を頑張りましょう!
建築設備の仕事をはじめたばかりの人は建築設備の知識を覚える必要があるので余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
二次試験(設計製図)の勉強時間
合格するには60時間は必要!
図面を描き慣れていない人は100時間は勉強しよう!
基本計画の文章を覚えたり設計製図を描く練習や計算方法を勉強しましょう。
特に設計製図は普段は手で製図を描く機会がないためスピーディーかつ綺麗に描く練習が必須。
図面を手書きで描いたことがない人は勉強時間をしっかりと確保することをオススメします。
自分なりに描くコツを見つけることが重要。
建築設備士にチャレンジしよう
建築設備関係の仕事をしている人は「建築設備士」を保有しているとメリットが多くあります!
今後のためにも一度考えてみましょう。
また勉強することで基礎知識が身に付きますので、まさに一石二鳥です!
将来のために時間を確保して頑張りましょう!
それではっ!!